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2016.02.07

よく分かる決済WG報告書(1):日本の決済サービスの将来(総論)

決済WG報告の背景

金融審議会の決済業務等の高度化に関するワーキング・グループ(「決済WG」)は、2015年12月17日付けで報告書案「決済高度化に向けた戦略的取組み」をとりまとめました。

決済分野については、米国ではFRBが2015年1月にStrategies for Improving the U.S. Payment Systemをとりまとめ、5つの望ましい結果としてスピード、セキュリティ、効率化、国際化、協働というキーワードを掲げたうえで、以下の5つの戦略を実行していくこととされています。

戦略1:米国の決済システム高度化を関係者と積極的に推進

戦略2:国内で、安全に、どこでも素早く決済を実現するための実効的な取り組みを検討

・faster payment task force立ち上げ等

・迅速決済実現のための課題の設定(制度上の問題の特定を含む)、方法論の特定等

戦略3:不正リスクを軽減し、安全でセキュアかつ強靭な決済システムを推進

・payment security task forceの立ち上げ

・決済セキュリティ基準の改善等

戦略4:国内・国際決済の効率性の向上

・国内決済取引につきISO20022を適用した実施策を策定

・セキュアな企業間電子決済の加速

・P2P, P2B, 小規模事業のB2Bの決済の互換性を高める技術と規制の検討

戦略5:RFB決済・リスク管理サービスの向上

 

また、欧州でも同様に、小口決済システム(ACH)や域内送金フォーマットや銀行コード、口座番号などの項目をSWIFTのフォーマットに統一することで域内外のシームレスな送金環境の構築を実施しています。

 

決済システム改革に対する政府のスタンス

金融・ITの融合の動きが加速し、こうした決済サービスの標準化をめぐる競争がグローバルに進展しているなかで、WGでは、決済サービスのイノベーション、構造変化や国際化が単なるブームではなく、将来にわたる大きな動きとして継続していくものと見ています。そして、国際的な競争力を維持するため、日本でも、官民を通じてスピード感をもって以下の取り組みを進めていかなければならないとしています。

  • ITイノベーションの取込みと決済サービスの革新
  • 決済システムの安定性・情報セキュリティの確保
  • イノベーションの促進と利用者保護の確保
  • 決済をめぐる国際的な動きの中での主導性の発揮

FinTechの動きが国際的に加速し、各国ではITを大胆に導入した革新的な決済サービスが次々に現れているなかで、日本も遅れをとってはいけないという強い危機感が感じられます。

決済システムというのは国の最重要なインフラの一つですので、まずその安定稼働が何を置いても求められます。そのために情報セキュリティが確保されることは、決済システムに対する国民の信頼を得るために不可欠です。その具体的な方法論として、イノベーションを推進することが説かれる一方で、利用者保護を確保することが必要とされています。

こうした国内における努力を国際競争力強化につなげるためには、国際金融行政でのルール作りに積極的に関与していくことが必要です。

WGの報告書は、こうした目線で日本の決済システム高度化への取り組みへの決意を語っています。

 

WG報告書の構成

今回WGがとりまとめた報告書案は、以下の4つの柱から構成されています。

  • リテール分野において、金融・IT融合に対応した決済サービスのイノベーションを実現
  • ホールセール分野において、企業の成長を支える決済サービスの戦略的な高度化
  • 利用者利便と国際競争力強化のための決済インフラ改革
  • 仮想通貨制度の導入

日本の決済サービス分野の2020年までの基本戦略とでもいうことができる報告書の内容ですので、次回以降、それぞれについてその概要をご説明したいと思います。

 

 

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